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Credo, quia impossible est

ありえないもののために
出来事は出来する。 それは〈わたし〉に出来る。 そして物語が出来上がる。
それは〈美しい現実〉という物語である。 (三重人格複合体NoVALIS666






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[NoVALIS666随想]
子供の口を塞ぐこと(author: 神沢昌宏 )
 疑いは、必ずしも問いのなかに
 完全に明白なかたちで現れているとは限らない。
 それは兆しの薄明のなかにまだその殆どを眠らせている。
 問いは、これに比べて非常に明瞭で
 そしてたしかに知的な印象を与えもする。
 だが、問いは或いは疑いの仮象であるのかもしれない。
 大人は確かに何でも知っている。
 子供の問いをつかまえそのすべてに
 いちいち答えることができるかも知れない。
 けれども、子供が何故問いかけてくるのかを知りはしない。
 何にでも誠実に答えてやることのなかで、
 子供に知恵をつけてやったと大人が不遜にも思い込むとき、
 大人は子供のなかの生きた疑いの豊かさを
 それがまだ萌芽のうちに摘み取ってしまい、
 子供の精神を貧しくしていないとは限らない。

 これはまた別の《無知の知》についての不安な寓話だ。
 ソクラテスの精神が必ずしも健全なものではなかったのかもしれないと
 考えさせるきっかけが始まる。

 自分が無知であることを知っているという明晰な意識は大人のものだ。
 ヒステリックに人の言葉をその口から摘み取ることに
 汲々としてしまうわたしたちの態度のなかで、
 確かに子供はまだ話し出しもしないうちから黙らされてしまう。

 口を塞ぐ大人の大きな手のなかで子供は窒息する、殺される。
 このことは実に毎日起こっている。
 今もわたしがこのように書くことのなかにおいてさえも。
 だが、もっとあからさまにこうした暴力が横行するのは
 議論屋の屯ろするアゴラにおいてだ。

 とりわけ思想について話がされるとき、
 こうした痛ましい殺人が平然と行われているのを目にする。
 教師の横柄さは最も思慮深い子供たちを常にまっさきに害する。
 ここには繊細の精神が絶望的に欠けている。

 何故常に子供の無知を打ちすえるような
 蛮声をもってしか教えられないのか。
 そこには相手を育もうという配慮のひとかけらもない。
 ただ己れの蛮声のなかに相手を引きずり込み、
 根こそぎにするためだけに教師どもは語る。

 解説し、啓蒙し、問題意識を植え付け、
 あるいは批評という語のその物悲しい語源そのままに、
 切り刻むことを教え、
 それはやがて引用という名の破壊行為の乱脈へと堕落する。
 これが教養俗物どものやり口である。

 つまりそのようにして、彼らは己れの同類を再生産する。
 優雅なサロンという最悪の野蛮のなかで、
 思考は絶望的に退廃し、そして腐敗してゆく。
| NoVALIS666随想 | 02:56 | 神沢昌宏 | comments(0) | trackbacks(0) |
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